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一般皮膚科
- いぼ
- ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウィルスという小さな病原体が、皮膚に寄生して俗にいういぼができてきます。
ウィルスの型により、
①尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
②扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
③尖圭(せんけい)コンジローマ
の3種類のいぼができてまいります。
当院では 足・手に見られるいぼに レーザー治療は行っていません。
ウイルスの型による3種類のいぼ
◆ウイルスの型による3種類のいぼ
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
手,指の甲側、ひざ,顔などにでき、直径2~8mmで、かゆみやいたみのないもりあがったいぼで、放っておくと少しずつふえてきます。 また足の裏にできた場合はもりあがらず、まちがえてうおのめとして治療されている場合が多くみられます。◆扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
子供や若い人の顔や手の甲にでき、直径2~4mmで、わずかに扁平にもりあがったいぼで、茶褐色調を呈し、放置によりどんどん増えてきます。◆尖圭(せんけい)コンジローマ
外陰部、肛門にできる、にわとりのとさか状に小さく突出したいぼで、不潔な性行為でうつる場合がほとんどです。尋常性疣贅と尖圭コンジローマの治療
尋常性疣贅と尖圭コンジローマに対しては、原則として液体窒素の凍結療法をいたします。-200度の液体窒素を綿球に含ませ、いぼに当て凍結させ脱落させる方法です。1週間に1回ずつ凍結していきます。凍結時多少痛みがあり、この痛みは30分~2時間位続きます。風呂は普通に入っていただいて結構です。凍結後1~2日して大きなみずぶくれや血まめができることがあります。そんな時は早めに受診してください。
扁平疣贅の治療
扁平疣贅に対しては、
①ヨクイニン(ハトムギエキス)の内服
②強力ミノファーゲンCの静脈注射
などを組み合わせて行っていきます。扁平疣贅は治りにくい場合が多いですが、皮膚科専門医はどこもほとんど同じ治療ですので、がまん強くがんばってみてください。必ずよくなると自分に暗示をかけることが大切です。扁平疣贅にかゆみや赤みが出てきた時は治る前兆です。そんな兆候が出て一時的に悪化したあと、1週間位で治ってしまうのが扁平疣贅の特徴です。閉じる
- 老人のいぼ・首のいぼ・皮膚の腫瘤
老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)
40歳以後の頭、顔、首、体に好発し、直径1cmまでの円形~不整形、扁平に隆起した黄褐色~灰黒色の小腫瘤が多発します。表面はザラザラで、黒ボタンが付着したようにみえ、光沢があり、盛り上がっていない色素斑(老人性色素斑)と一緒に混在している場合が多いようです。
治療は液体窒素の凍結療法または炭酸ガスレーザーによる蒸散軟性繊維腫(なんせいせんいしゅ)
40歳以後に、首、わきの下などに、柔らかくて茎のある小さな腫瘤が多発し、大きさが1cm以上になることもあります。放置しておいても構いませんが、美容的見地から治療を希望される方が大勢いらっしゃいます。液体窒素の凍結療法でほとんど無痛で、簡単に治療可能です。
炭酸ガスレーザーによる蒸散もおすすめです。粉瘤(ふんりゅう)
20歳以後に、頭、顔、耳、首、わきの下、背部、陰嚢に好発し、多発しやすい。弾力のある皮内腫瘤で、次第に大きくなり、二次感染をおこすと赤く腫れ上がり、破れると内容物は粥状で悪臭を放つ。治療は切除。
基底細胞上皮腫(きていさいぼうじょうひしゅ)
顔の中央部に好発する悪性腫瘍で、最初ホクロ様の小丘疹として始まり、柔らかくて出血しやすく、じょじょに大きくなり黒光りのある少し大きめのホクロといった像を呈してきます。皮膚科専門医であれば、みただけですぐ診断可能です。早期に切除すれば再発することはまずありません。
有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)
中・高年の男性に多く、いぼ状の小結節で始まり、急速に増大して半球状に隆起して、キノコ状、花キャベツ状になってきます。あるいは増大とともに中央がくずれ、深い噴火口状の潰瘍を生じ、出血しやすく悪臭分泌物を認めるようになってきます。早期発見・早期治療が大切。
悪性黒色腫・メラノーマ
皮膚の腫瘍のうちで1番たちが悪く、やはり早期発見・早期治療以外に根治は望めません。黒い腫瘍ですが、普通のホクロと違う点は、①発育が急速、②出血しやすい、③一様に黒いのではなく、濃淡がある、④腫瘍の周囲は墨がにじんだように不整形になっているなどの特徴があります。皮膚に黒いおできができた場合は放置せず、早めに皮膚科医に相談したほうが無難です。
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- みずいぼ
伝染性軟属腫
正式には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれています。2歳から8歳位の小児のわき、首、腹、背中、おしりにかゆみのない、あわつぶから米つぶくらいの大きさのブツブツができ、放っておくとじょじょに数がふえてきます。みずいぼは皮膚と同じ色をしていますが、よく見ますと頂点が,少しくぼんでいるのが特徴です。みずいぼのまわりがザラザラ(湿疹化)になった場合にはかゆみをともないます。パポバウィルスによる皮膚感染症で、プールでうつるといわれていますが、プールに入ったことのない小さい幼児にもみられます。
「自然に治る」という考え方もありますが、みずいぼがあるとプールへ入れない幼稚園や小学校がほとんどですので、少ないうちに治療したほうがいいと考えます。 ピンセットでつまみ取る方法が一般的ですが、痛みの少ない方法もありますので病院嫌いのお子さんの場合など、ご相談下さい。
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- かぶれ
かぶれ
かぶれとは、外からの刺激物(接触源)が接触した部位に限られた皮膚炎をおこした状態をいいます。化粧品、白髪染めやパーマ液、装身具、化学薬品など家庭・職場環境内には原因接触源となりうるものがたくさんあります。
また肌をさらす夏季には植物や昆虫類によるかぶれが高頻度にみられます。
自覚症状としては、皮膚が赤くなり、一部には小さい水疱がみられることもあり、激しい痒みをともないます。治療としては、痒みをおさえるため抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服していただきます。炎症の激しい場合には、早く治すために少量で短期間のみステロイド剤を服用していただくこともあります。塗り薬は効果の鋭いステロイド外用剤を処方いたしますので、1日3~4回患部に塗ってください。原因を取り除き適切に治療すれば、かぶれは数日で治ってしまいます。
局所は使い慣れた石鹸やシャンプーできれいに洗ってくださって結構です。食事は普段通りで結構です。他人に感染することはありません。
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- とびひ
伝染性膿痂疹
正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれています。治療しないと、どんどん他の部位へ広がるので、俗に「とびひ」といわれています。夏季に幼小児の間で小流行性に多発します。ブドウ球菌というばい菌が皮膚についておこる感染症です。突然健康な皮膚にもできますが、虫さされ、湿疹、アトピー性皮膚炎をかいているうちに爪のばい菌が入るケースが多いようです。
最初は大小のみずぶくれができますが、このみずぶくれは簡単にやぶれジクジクになったり、かさぶたをつくってきます。湿疹,虫さされ、アトピー性皮膚炎を合併していない限り、かゆみはないのが普通です。顔、手足などの露出部に好発するといわれていますが、首、脇、股などのすれる場所にもよくできるようです。ばい菌による感染症ですから、抗生剤の内服と外用療法をいたします。
医師から禁止された場合を除き、風呂は毎日入っていただき、普通の石鹸を用い手でなで洗うようにし、石鹸分をよく洗い流した後、清潔なタオルで押さえるように拭いてください。このように皮膚を清潔にしてから処方されているぬりぐすりをぬることが大切です。昼間くすりをぬる前にもできましたらシャワー浴をしてください。のみぐすりも非常に大切です。医師から指示がないかぎりガーゼは当てず、空気にさらしながら治していってください。
おとなには普通うつりませんが、兄弟同士が直接ふれるとうつる可能性はあります。風呂はとびひの子はあとで入れたほうが無難でしょう。幼稚園、学校も医師の治癒の証明書を必要とするところが多いようです。熟練した皮膚科専門医の目で正しい診断がなされ、適切な治療がなされれば、とびひは必ず1週間で治ります。
アトピー性皮膚炎のある子はとびひになりやすいので、いつも湿疹のない状態にしておいてやることが大切です。
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- みずぼうそう
水痘
正式には水痘(すいとう)とよばれています。軽度の発熱とともに、体幹に直径3~7mmの赤いまるい斑点がパラパラと出現し、この斑点は早期に顔、頭、手足にひろがっていくとともに、赤い斑点の中心に小さいみずぶくれ(水疱)ができ、これがやぶれてびらんになったり、みずぶくれが膿んできて(膿疱)、その後びらんになったりします。これまでの時期にはかゆみがあり、また口の中にもできていますので、せきをしたり、しゃべったときのつば(飛沫感染)で容易にうつります。びらん面はすぐかさぶたで被われ(痂皮化)、やがてかさぶたのまわりの赤みもなくなり、発病4~5日目からかさぶたが落ち始めます。かさぶたが全部落ちるには約10日かかりますが、顔がすべて痂皮化した時点で登園、登校して構いません。風呂は熱がなくなり、ほとんどがかさぶたになった頃から入れてあげ、石鹸でなで洗うようにしてください。
みずぼうそうの潜伏期はぴったり2週間ですので、まだかかっていない兄弟は注意深く見守っていてください。ほとんどの子供は軽症ですんでしまいますが、成人になってからのみずぼうそうは一般に症状が強いようです。
治療はのみぐすりでかゆみどめとゾビラックス細粒を用い、ぬりぐすりは原則的にはアクロマイシン軟膏をお出しいたしますので1日2回塗ってください。
みずぼうそうは終生免疫ですので、2度かかることは原則としてありません。
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- 湿疹
湿疹
湿疹とは、外から何らかの刺激がからだに作用し、刺激を受けた部位が局所的に防衛反応をきたした状態です。
湿疹を経過から分類しますと、①急性湿疹 ②慢性湿疹となり、原因から考えますと、③発汗や、皮膚の汚れなどの刺激に反応した間擦部の湿疹、④眼瞼湿疹、赤ちゃんのよだれかぶれと、衣類などによる刺激(こすれ)による首などにみられる慢性湿疹、⑤洗剤などの慢性刺激による手の湿疹、⑥冬場、中年・老年の方に多くみられる皮脂欠乏性湿疹、⑦原因はよく分かっていませんが、しばしば冬場すねに高頻度にみられる貨幣状湿疹などがあります。
また湿疹が適切に治療されず放置しておきますと、小さくて痒みの強いブツブツが全身に広がることがあり、これを自家感作性湿疹と呼んでいます。
治療の原則は原因を取り除くことですが、原因の分からない場合が高頻度にみられます。痒みを取り除くために抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服していただき、掻くことによる悪化を防ぐことが重要です。さらにステロイド外用剤を塗っていただきますと、たいていの湿疹は数日で治ってしまいます。患部を使い慣れた石鹸やシャンプーできれいに洗った後に、塗り薬を使うと効果的です。原則として、食事とはまったく関係ありませんし、内蔵の病気とも関連がありません。
病原体がいる病巣ではありませんので他人に感染することはありません。
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- 脂漏性湿疹
脂漏性湿疹
皮脂分泌の多い部位すなわち頭の中、髪のはえ際、ひたい、まゆ毛、鼻翼の際、わき、胸と背中の中央部、へその周囲、陰股部などが少し赤くなり、その上にあぶらっぽいかさぶたや細かいフケのようなものが付着してきます。かゆみはある場合とない場合があり一定しません。原因ははっきりとわかっていませんが、何らかの形で皮脂腺の働きに変調をきたした状態と解釈されています。
この皮膚病が生まれたばかりの赤ちゃんにできた場合には、俗に胎毒(たいどく)とよばれ、妊娠中のお母さんのホルモンの影響によるものです。弱いステロイド外用剤で生後6ヶ月までになおってしまうのが普通です。成人の場合は最初は「フケが多くなった」と気付かれ来院される方が多いようです。精神的ストレス、肉体的疲労、睡眠不足、不規則な生活などを契機に発症することが多く、すぐ完治せず治療してもよくなったり悪くなったりしますが、根気よくやっていると必ずよくなります。
のみぐすりは主として抗ヒスタミン剤(かゆみ止め)、抗アレルギー剤などを用い、ぬりぐすりはステロイド外用剤のローションまたは軟膏を処方いたします。普通の石鹸やシャンプーでかまいませんので、よく患部を洗い皮膚を清潔に保つことが大切です。この皮膚病は内臓とは全く関係ありません。食事も制限ありませんが、酒ののみすぎはよくありません。
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- 皮脂欠乏性湿疹
皮脂欠乏性湿疹
皮脂腺の分泌は若いうちは良好ですが、早い人で30才代後半から衰えはじめ、特に冬場の空気が乾燥する時期に、すね、うで、腰などの皮膚にうるおいがなくなりカサカサしてきます。この状態を乾皮症(かんぴしょう)とよんでいます。
乾皮症状態を放っておきますと皮膚が少しずつかゆくなり、かいているうちに湿疹になってしまうのが「皮脂欠乏性湿疹」です。比較的高齢の方に、秋から春先までの寒い時期に頻発する皮膚病です。
かゆみが強い時には抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服が必要です。処方した弱いステロイド剤をぬっていただきますとすぐよくなりますが、空気が乾燥している間はぬりぐすりを切らすと再発しやすい傾向があります。食事は関係ありませんから何をお食べになっても結構です。風呂での石鹸の使用もかまいませんが、皮脂をまるごととってしまうようなゴシゴシ洗いは避けたいものです。
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- 手によくできる皮膚病
手湿疹
結婚してすぐ、あるいは赤ちゃんができ洗濯の回数が多くなってから手に湿疹がでる場合が多いですが、湿疹の出やすい体質(アトピー体質)の子供が砂をいじったり、ピアノを弾いたり、ラケットを握る刺激で手に湿疹が出る場合もあります。またお仕事に用いる機械油(整備士)、農薬(お百姓さん)、白髪染めやパーマ液(理容師、美容師)で手が慢性にかぶれ、湿疹状態になることがあります。手のひら,指がゴワゴワになり、指紋がなくなったり、冬には亀裂(あかぎれ)が生じやすくなります。手の甲側に湿疹が及びますとかゆくなったり、ジクジクしたりすることもあります。
予防は原因となっているものをできるだけ直接触れないよう工夫することです。湿疹がある時もない時も、付着物を取り除く意味で、手をよく普通の石鹸で洗っていただき,石鹸分を充分流してください。処方されたぬりぐすりは1日に2~3回使ってください。あかぎれのある場合や湿疹状態がひどい場合にはテープ製剤が処方されます。テープの接着面に薬がついていますので、適当な大きさに切り、台紙からはがし、直接患部に貼ってください。テープを貼った残りの部分にはぬりぐすりをぬってください。テープの使用は夜間のみとし、朝になったらテープをはがし全体的にぬりぐすりをぬるようにしてください。
手白癬(手のみずむし)
みずむし(白癬)とはカビの1種である白癬菌が、皮膚の角質層(1番外側の層)に棲みついておこる病気で、大抵最初は足にできますが、足のみずむしを放っておきますと、手にもうつってきます。手のみずむしは手の湿疹と肉眼ではほとんど区別ができず、手のひらや指がゴワゴワになったり、あかぎれが生じたりしてきます。
手の湿疹と手のみずむしとの区別は、初診時に手から皮膚を削りとり、顕微鏡でみて白癬菌がいるかどうかで決定いたします。手のみずむしはクリームを1日2回ぬっていただきますと約3ヶ月で完治いたします。足のみずむしも同時に治してください。
汗疱(かんぽう)
春から秋にかけ突然、手のひら、足のうらに小水疱が多発し、すぐ水疱が破れところどころ皮膚がむけた状態になってきます。手にひらや足のうらに汗をかきやすい人に多くみられ、小水疱は手の指の側縁にでやすく、放っておいても2~3週間で自然に治ることが多いですが、再発しやすい傾向があります。原因は不明ですが、ステロイド外用剤が効くことから、何らかのアレルギー反応と推察されています。
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- アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
良くなったり、悪くなったりを繰り返す湿疹性皮膚病変を指し、多くの場合、アレルギー疾患の家族歴・既往歴あるいはIgE高値といったアトピー素因を有する。
病態と診断
◆急性期の皮疹・・浸潤性紅斑と丘疹
◆慢性期の皮疹・・皮膚が肥厚した状態である苔癬化病変が主体
◆診断に際して
(1)皮疹の特徴的分布、(2)乾燥し、鳥肌様の皮膚の存在、(3)慢性・反復性の経過が重要である。年齢による特徴的な皮疹の分布
◆乳児期頭・・顔に始まり、しばしば四肢・体幹に下降する。耳切れも特徴的である。
◆幼小児期・・頚部や四肢屈曲部の病変が特徴的である。
◆思春期・成人期・・上半身(顔、頭、胸、背)に皮疹が強い傾向が認められる。治療
◆治療目標
根治治療ではなく、あくまで対症療法である。自然寛解を期待し、日常生活を問題なくおくれるようにすることを目標にする。◆治療の基本方針
治療の基本は個々の皮疹の重症度と使用する部位、年齢を加味し、適切な強さのステロイド外用剤を用いることである。重症皮疹にはベリーストロング、ストロングランクのものを用い、早期に皮疹の改善をはかり、改善すれば、1ランクずつ弱いステロイド外用剤に変更していく。
顔(特に眼囲、口囲)、陰部は皮膚が薄く、吸収がよいので弱めのステロイド外用剤を使用する。
乳児や幼小児では概して皮膚が薄いので、成人より弱めのステロイド外用剤を使用する。◆具体的な外用療法
で示したように、ステロイド外用剤で皮疹の改善がみられた部位には、保湿に努める目的で白色ワセリン、ヒルドイドソフトなどを継続していく。◆成人のatopic red face(アトピーに由来する赤ら顔)
プロトピック軟膏が効果的である。掻破によるびらんや潰瘍には使用しない。一過性にヒリヒリ感が高率に出現するが、慣れることが多い。16歳に満たない症例には、0.03%の小児用プロトピック軟膏を使用する。◆内服療法
かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬を使用する。ステロイド内服は原則として行われない。閉じる
- 水虫
みずむし(白癬)
みずむし(白癬)とはカビの1種である白癬菌が、皮膚の角質層(1番外側の層)に棲みついておこる病気です。みずむしは普通、足の裏や足の指の間(足のみずむし、足白癬)にできますが、放っておきますと足の爪が白く濁り厚くボロボロ(爪のみずむし)になり、さらに手にうつってきて手のひらがゴワゴワ(手のみずむし)になったり、股にうつっていんきんたむし(股部白癬),体にうつってぜにたむし(体部白癬)になってきます。
足のみずむしはバスマットやスリッパなどを介し、家族の方にうつりますので、なるべく早く根治させることが大切です。足のみずむしには3つのタイプがあります。足の指の間がふやけたり皮がめくれたりするタイプ(趾間型)、足の裏に小さいみずぶくれができるタイプ(水疱型),足の裏全体がゴワゴワになるタイプ(角化型)の3つです。そのほか高温多湿の夏には二次感染をおこしジクジクになったり、民間療法でひどいかぶれ状態で受診される方も大勢いらっしゃいます。
皮膚科の専門医は必ず病巣の皮膚をとり、白癬菌を確認してからみずむしの治療を開始いたします。二次感染やかぶれがあれば、まずそれを治します。足のみずむし、手のみずむし、いんきんたむし、ぜにたむしは白癬菌に効くクリーム剤を塗るだけで治ります。局所を石鹸でよくあらい、充分乾燥させてから、クリーム剤を病巣より広めに入浴後によくすりこんで下さい。みずむし、たむしを根治させるには、クリーム剤を治ったと思える時からさらに2~3週間塗り続ける必要があります。塗っている途中でかゆみや赤みが増す場合はクリーム剤によるかぶれの疑いがありますので、使用を中止し早めにお申し出下さい。
爪にみずむしが入ってしまった場合は、のみ薬を服用していただかないと根治しません。考えられる副作用は胃腸障害や肝機能障害などですが、いずれも内服を中止すればすぐ回復いたします。みずむしののみ薬を内服していただきます場合には2~3ケ月に1回ずつ血液検査をしていきますのでご協力下さい。爪のみずむしの場合にはさらに効果を高めるため、液剤を爪の先端から入浴後にさしていただきます。
みずむしは決して治らない皮膚病ではありません。手と足のみずむしは約1~3ケ月、たむしは約3週間~1ケ月、爪のみずむしは4~10ケ月で治るのが普通です。そのおつもりで治療を始めてみて下さい。家族でみずむしの方がいらっしゃれば、その方も治療が必要です。バスマット、スリッパはみずむしの方は別にし、よく日光消毒しましょう.くつ下は吸湿性のいい木綿のものにし、できたら日に2回とりかえ、素足でいる時間を多くしましょう。靴はなるべくゆったりとして、風通しのよいものを選んで履いて下さい。
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- ヘルペス
ヘルペス(単純ヘルペス・帯状疱疹)
ヘルペスと呼ばれている皮膚病には2種類あり、1つは単純ヘルペスまたは単純疱疹(たんじゅんほうしん)で、もう1つは帯状疱疹(たいじょうほうしん)です。
単純ヘルペスウィルスに初めて感染した子供は、高熱をだし、舌、歯ぐき、口の中の粘膜に小さな口内炎が多発し、痛みがひどく食事がほとんどとれなくなります。この状態をヘルペス性歯肉口内炎と呼んでいます。子供の時初めて侵入したヘルペスウィルスは体に棲みついて、体調の悪いとき、すなわち①熱を出したとき、②風邪をひいた時、③寒いところに長時間いた時、④長時間の日光照射のあと、⑤暴飲暴食で胃がやられたあとなどに、くちびる、鼻の入口、眼のきわ、耳の入口などに小さなみずぶくれが集まって多発し、2~3日でかさぶたになり、7~10日で自然に治っていくのが単純ヘルペスです。自覚症状はないか、あっても軽い痛み程度です。単純ヘルペスウィルスの特効薬の内服と外用薬で早く治すことができます。単純ヘルペスは俗に「熱のふきだし」または「いぼろ」の名で知られています。また稀ではありますが、アトピー性皮膚炎や湿疹がある時に単純ヘルペスウィルスが暴れると非常に重症化し、この状態をカポジ水痘様発疹症(すいとうようほっしんしょう)と呼ばれています。
子供の時かかった水痘(みずぼうそう)のウィルスが、体の抵抗力の落ちた時に暴れだしたのが帯状疱疹(おびくさ)です。みずぼうそうのウィルスは神経に潜んでいて、帯状疱疹として発症する時には必ず神経痛をともない、神経支配に沿っておび状に体の左右のどちらかに小さなみずぶくれが多発してきます。この病気も放置しておいても2週間で治りますが、神経痛が残ってしまうことがありますので、内服、外用薬、点滴静注などの積極的な治療が必要です。
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- 赤ちゃんのおしりの皮膚病
赤ちゃんのおしり皮膚病
赤ちゃんのおしりに皮膚病ができた場合、大抵のお母さんはおむつかぶれと考え、薬局で塗りぐすりを買ってきたり、おきぐすりを塗られたりします。勿論そのときおむつかぶれであれば,塗ったくすりが適切であれば3~4日で治ってしまうでしょう。塗っていて1週間たっても治らない場合や,むしろ悪化する場合には皮膚科専門医を受診した方が無難です。というのは、赤ちゃんのおしりはおむつかぶれ(おむつ皮膚炎)になるばかりでなく、乳児分芽菌性紅斑(にゅうじぶんがきんせいこうはん)といって、カンジダというかびが寄生する場合が多いからです。
経験を積んだ皮膚科医でも、この2つの皮膚病を肉眼で区別できないことが多々あります。そんな時皮膚科医は必ずおしりの皮膚を少し削り、カンジダがいるかどうかを顕微鏡で確認いたします。カンジダが検出されれば診断は乳児分芽菌性紅斑となり、紫色をしたピオクタニン液を処方いたしますので、皮膚の紫色の着色がうすくなったら、赤くなったところだけ綿棒で塗り足すようにし、3~4回塗っても治りきらない場合は再受診してください。カンジダが検出されなければ診断はおむつかぶれとなり、弱いステロイド外用剤を処方いたしますので、1日2回塗っていただきますと3~4日で治ってしまうのが普通です。1週間たっても治りきらない場合は再受診してください。
2つの皮膚病に共通していえることは、赤ちゃんがおむつをよごしたら早めにとりかえてやるようにしてください。得に下痢をしている時が要注意です。お風呂は普通の石鹸できれいに洗い、石鹸分をよく流してから充分乾燥させ、処方されているくすり(ピオクタニン液は色がうすくなった場合のみ)を塗っておいてください。
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- ほくろ・あざ
ほくろ(母斑細胞母斑)
ほくろは生まれたばかりの赤ちゃんはありませんが、年齢とともに増えてきます。体や手足にできるほくろは、直径4mmまでのものが多く、皮膚から盛り上がらず黒い色をしていますが、顔や頭にできる場合には、黒い色のほくろばかりでなく、皮膚と同色で盛り上がり直径1cm位になることがあります。
ほくろが悪性化することは極めて稀ですので、特別の事がないかぎり治療の必要はありませんが、顔にできたものが美容的に気になる場合には、電気乾固するか、炭酸ガスレーザーによる蒸散を行います。
母斑細胞母斑は1番多くみられるあざ(色素斑)で、黒褐色~黒色を呈し、生下時からあるのが普通です。治療は原則として切除ですが、切除できない大きいものは症例毎に検討が必要です。
母斑細胞母斑以外のあざ
脂腺母斑
成人になってから悪性化することがあるので、小児期に切除。普通頭にみられ、最初は脱毛斑として気付かれる。
表皮母斑
生下時からあり、次第に盛り上がってくるいぼ状のあざ。切除が原則であるが、液体窒素の凍結療法や炭酸ガスレーザーによる蒸散でも簡単に対処できる。
扁平母斑
生下時からみられ、皮膚から盛り上がっていない淡褐色斑で、形、大きさは種々。大きいものは、レーザー照射が必要になります。
単純性血管腫
俗称「赤あざ」 生下時からみられ、皮膚から盛り上がっていない赤色斑。顔、後頭部に多く、自然に消えることはない。小さいものは切除。大きいものはカバーマークで遮蔽する。液体窒素の凍結療法や、ドライアイス法、レーザー照射などでも対処できる。
いちご状血管腫
生後2週頃からみられ、次第に盛り上がり表面はいちご状で、ちょうどいちごを半分に切り、皮膚に置いたように見える。放置により5~6歳頃までにほとんどが消腿するが、最近はレーザー照射が積極的に行なわれている。
蒙古斑
新生児のおしり、せなかにみられる淡青色斑。7~8歳までに自然に消腿するが、四肢、顔、頭、腹に生じた異所性蒙古斑は消腿傾向が遅い。
太田母斑
顔に生まれつき、あるいは思春期に片側だけに出てくる青灰、紫灰~紫褐色、濃淡種々な点状色素斑。症例により治療法の検討を要す。
最近ではレーザー照射が積極的に行われている。閉じる